「家族療法」と呼ばなければよかった・・・?。

家族療法というと、
家族が集まって行う心理療法であり、
その家族が問題であるとみなすと考えられがちであるが、
そうではない。


クライエントはその家族の中で、たまたま患者とみえる人であり、
その人が何か問題を教えてくれている。


その家族がどんなところで苦しんでいるのか?
家族の間で、疑いや不安が高まっているとき、
一人ひとりの話しを聴き、家族全員がどんなことを思っているのかを知る。
そして、家族みんながどんな風に動いているか、
客観的に見える人がアドバイスできるかもしれない。


家族療法は、クライエントの問題との相互作用をもっていて、
その人が一番影響を受けやすい家族と会ってみよう
というところから始まった。
家族が直接面接場面に関ってくることで、解決できる問題があるのなら、
少し意味があるかもしれない
という家族療法家たちのひとつの考えである。


彼らは、心理療法に「システム」という観点を持ち込んだ。
形式的には
個人面接もする。家族の一部とも面接する。家族全員ともする。
学校の教師との面接が必要と思えば、先生とも面接する。
親戚の人が必要と思えば、面接する。
というふうに家族やクライエント(IP)の同意を得て、自由にいろんな人と会う。
家族療法は、米ではシステミックアプローチと呼んだり、システミックセラピーと呼んだりしている。その観点から心理療法するといろんなことができる。


日本では導入されたとき「家族療法」と呼んだので、心理療法の形式みたいなものとイメージされてしまい、中身がうまく伝わらなかったのは残念である。
「関係療法(Rerational therapy)」と呼べばよかったという人もある。