17 高校進学のために親のできること

 以前にも書いたことがありますが、高校進学率が98%の現状で進学しないとなると、
よほど卓越したなにかがなくては社会で生活しにくいでしょうね。
高卒資格を何歳で取得するかは人それぞれ、方法もいろいろありますが。
中学で不登校になった子どもが高校進学をするにあたって、親子で不安がいっぱいだと思います。

なにか参考になることがあればと願って、多くの例の中から具体的にどうしたらいいのか、
伝えていきたいと思います。
(*同日記「不登校」12、13も見てください。)

1、親が不登校の子ども達の進学情報を知っておく。
2、学校の担任との関わり方
3、子どもへの関わり方


1、について

進学状況を知るには、親の会の経験者の話を聴いたり、不登校の子どもがよく行く高校(通信制、単位制、定時制など)では説明会で在籍者の話を聞く機会が多いので、当事者やその親の話を聞くといいと思います。
 情報誌でどんな学校があるか調べて、いろいろなタイプの学校の特徴を把握しておきます。
 以上で、いくつか子どもに合いそうなところを心にとどめておくといいです。
(先の心配するよりも、今の子どもに合うところです。)
 決まったら、親だけでも説明会や見学に行くことをお勧めします。


2、について
 学校から進路決定を調査する用紙が届きます。期限はありますが、学校へ行っている子ども達と同じようには進まないのが当たり前と考えて、焦らないことです。担任の先生によっては早く決めるようにいわれることもありますが、子どもの状態を話して理解を求め、親としてはこう考えている、ということを言えば待ってくださると思います。
たとえば、「子どもは今はまだ進路を考えられる状態ではないので、志望校を決められません。親としては、
○○校や××校だったら来年の3月末まで受け付けているので、本人の状態をみながら相談していこうと思います」といったふうに。
子どもがまだ見学に行けるほど回復していない場合は、親だけでも説明会や見学に行き、先生の人柄、学校の雰囲気、学校の方針やシステムなど知っていると安心です。見学に行ったら、担任にも「○○高校に行きました。ちょっとうちの子どもには会わない感じがしています。」「××校に行きました。一人ずつていねい見て下さる感じで、いいかもしれないと思いました」など、その都度報告しておくと先生も安心されるようです。
ただ、どんな報告にしても、最終的に決めるのは子ども自身だということは、親自身はもちろん心にとめておくべきですが、先生にも伝えておかないと親の意向でOKと誤解されてしまうかもしれません。

3、について
子どもが行けなくなり始めたばかりで落ち込みがひどい時は、進路の話は控えたほうがいいでしょう。
親のほうで担任と連絡をとって「もう少し落ち着くのを待って話します」と子どもに猶予を与えてあげたらいいと思います。
ある程度落ち着いている状態、親子で普通に会話ができている状態であれば、「今すぐ決めなくちゃならないということはないけど、高校をどうするか相談しようね。」場合によっては、「学歴だけがすべてじゃないよ。これからどうしていくかゆっくり考えようか」というふうに親の懐を深くしなければならないときもあります。
「あなたはどうしたい?」と子どもの気持ちや考えを引き出すようにすると、少しずつでも自分の考えが言えたり、整理できると思います。
そのとき、その場で話がつづかなくても、後になって子どものほうから「今の自分でも行けるかな?」など言い出すこともあります。そのときに、それまで集めていた情報を少しずつ小出しに伝えてあげるといいと思います。
(ここぞとばかりに、一度にあれこれ言うと混乱するかも・・・)
不登校になってから、2年くらい経ち本人が落ち着いていて、何かしたい、どこかへ行きたいという意欲が出ている状態であれば、親子で一緒に見学にいくのもいいですね。
そのとき、同年代の子どもがニガテな場合が多いですので、生徒がいない時間や曜日に先生と会ってみて感触をつかんでおき、行きたい学校だと感じたら、生徒のいるときに再度行くと、実際に入ってからの状況がシミュレーションできると思います。
学校までの距離も重要で、電車通学の時間が長いと人目が気になってつらくなることもあります。

発達障害の傾向のある子どもの場合、各学校の特徴、メリット、デメリットを一覧表にして見せたというお母さんがいました。それもひとつの方法ですね。

いずれにしても、同年代の子ども達が進学することはじゅうぶんよくわかっていて、本人が一番気にかかっているのです。それでもなかなか動けない心理的なしんどさがあるのだと理解してあげてください。
3月の願書締め切り間際になって、行くと決める子どももいます。高校によっては4月入学式前日の申し込みでもOK、というところもあります。

どのレベルの高校に入ったかということよりも、そこでどれだけ本人が元気になって自分を伸ばせるか、やりたいことができるか、(勉強のしたい子は勉強を、友だちの欲しい子は友達といろんな経験を、)
それが大事だと思います。
勉強は、中学時代全然できていなくてもその子のできるところから教えてくれるところも結構あります。
学力的には、やや低いところから始めたほうが自信がついて、後あと伸びていく子どもが多いようです。
元気が回復していれば、学校的な勉強から遠ざかっていた間にからからに乾いたスポンジ状態になっていますから吸収が速いのです。

明日8日 1時30分〜3時30分♪あんだんて♪の進路相談会(JR,地下鉄、京阪「山科」)
詳しいことが知りたいかたは、どうぞお越しください。
参加費1500円
留守電に予約 075-595-8255(親子支援ネットワーク♪あんだんて♪)明日間際までOKです。